あなたの知らない小宿に迫る!
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2021.09.10 秋田県

じゃんごっ!!!うさぎちゃん??だまっこ☆くま

sugiura

特派員

小池都知事(2021年現在)のいる東京都庁から632キロ、車で走り通して8時間半!
これなら韓国に行けばよかったかな……と途中で思うほどの移動を経て、秋田県に上陸。

あえて言おう、秋田県……陸の孤島である!!!!!!!!

秋田県の皆さんにお叱りを受けるかもしれないが、決して、決してディスっているわけではありません。

消えゆく日本の伝統、文化が色濃く残る地……思い浮かべていた東北のイメージというものは、秋田県のことだったのか!と感じさせるほど、濃厚な風土が息づきます。

 

マタギの料理が崇高に感じるワケ

すげ笠

マタギの里「阿仁村」。
人気漫画『ゴールデンカムイ』の中でひと際男気を見せる谷垣源次郎も、この阿仁村出身のマタギだ。
そんなマタギの世界観を楽しめるのが、マタギの湯の魅力の一つ。

ゴールデンカムイ(谷垣さん)(ゴールデンカムイ(作者:野田サトル 出版:集英社))
出典/野田サトル. ゴールデンカムイ. 24巻, 集英社(週刊ヤングジャンプ), 2020年, 197p, (213話, 9p).

山の狩猟族・マタギならではの山の料理を、囲炉裏を囲んで食べるスタイルも楽しめる夕食は、バリエーションがいっぱいだ。
おそらく、人生で口にしたことのない食べ物に出会うことになる人も少なくないだろう。

そして、おいしい……。

山の猟の中で受け継がれていく、伝統の味が並ぶ。

囲炉裏食事処

これを知らなきゃマタギは語れない!?マタギ料理の元祖「だまっこ鍋」

黄金の絨毯が広がる米の郁・秋田。もちろん代表的な銘柄は、あきたこまち。
「米を使った料理は全てがうまい!」そう言わしめるほどに、米そのものがごちそうとなるのが秋田だ。
焚いたうるち米を粗めにつぶす。それを3センチほどの団子にして鍋に……。

だまっこ鍋

なるほど、きりたんぽの兄弟鍋といわれるわけだが、お出汁も具材もシンプルなもので、よりお米のおいしさをストレートに味わう鍋というのが特徴。

地域では、祝儀の宴や催しの際に定番となる料理で、別名『だまこ鍋』。ネットではレシピも数多く紹介されているので、ぜひ おいしいお米が手に入った時には試してみて。

阿仁では今なお続く伝統……「熊かやき」(熊鍋)

〝命を食す〟——命を取り込み、自分の命をつないでいくこと。

厳しい寒さ、孤独と静寂、そして暗闇に支配された山中で対峙する、強き命。

それは、冷えた体をやさしく温め、生きるチカラを宿してくれる……山での命のやり取りが、最高の馳走として、この一杯を盛り立てる。

そんな情景を感じさせる熊かやき。単なるグルメでないことを、何百年と受け継ぐ文化が物語っている。

阿仁の人たちが大事にしてきたこの料理は、熊の命への感謝へと敬意が詰まった、最上級のもてなし料理なのだ。

少しクセを感じる熊肉を、コクのある味噌と日本酒ベースのお出汁で野菜やキノコと一緒に炊く。

もちろん山の中でマタギが食べていた熊鍋はもっとシンプルだろうが、撃ち取った直後でないと味わえないものもあっただろう。

少しナーバスに捉える人もいるだろう「うさぎ鍋」

熊と戦うために、野兎を狩り、貴重なタンパク源を得る。小さいながらに力強く野山を跳ね回る野兎の肉は、上質。程よい強さの弾力があり、締まっている。さっぱりめながら、うま味がにじむ。

「うさぎ=かわいい」がどうしても頭をよぎるから、そんなに何度も食べたくはないが、間違いなくおいしいお肉だと感じる自分も、エゴの塊だと認めざるを得ない。

うさぎ鍋

これなしに秋田を去ることはできない「きりたんぽ鍋」

(秋田に向かう最中)実は何よりも楽しみにしていたのが、きりたんぽ鍋だった。そりゃそうだ、秋田に来てきりたんぽや比内地鶏を食べないなんて、県民だって納得いかない!!

だまっこ鍋と同じく、あきたこまちのおいしさを痛感させられるきりたんぽ。だまこと違うのは、表面を焼き、少し香ばしさをまとう憎らしさ。

聞くだけでよだれが出る比内地鶏のうま味が溶けまくった醤油ベースの出汁が、遠慮なく染み込んでいく。

これを考えた人は本当に天才だ。これがおいしくないわけがない。きりたんぽの形状も、絶妙にそのおいしさを引き出している。本当に天才……!

実はきりたんぽは、県北(大館・鹿角周辺)の比内地方の発祥だが、このおいしさが広がらないわけもなく、遠く離れた阿仁でも昔から愛されている。

こっちで売ってるものを買っても、全然おいしさが違うのが悲しい……。

きりたんぽ

そんなこんなのおいしいものがひしめく、囲炉裏を囲んで楽しむ「じゃんご料理」。

方言で「田舎」を意味する「じゃんご」。

季節の恵み、大地の息吹、川の清々しさ、命のつなぎを感じることのできるじゃんご料理は、もはやグルメを凌駕して、文化を学べる教科書だ。

学んだあとは、囲炉裏を囲んで一杯いかが。

にごり酒「マタギの夢」

マタギの夢でも語らいながら……(お後がよろしいようで)。

 

聞く人を笑顔にする秋田弁。こんなにほっこりする言葉がほかにあるだろうか。

じっぱり = 沢山
んが = お前
やばちい = 濡れたものを触っていやだな
まぐまぐでぐなる = めまいの症状
ぶぢょほ = 失礼
こちょがす = くすぐる
ごしゃぐ = 叱る

なんか、怒られても(ごしゃがれても)威圧感が無くていいですね!

 

記載されている内容は記事掲載時の情報です。 現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

今回のお宿

マタギの湯

住所 秋田県北秋田市阿仁打当仙北渡道上ミ67
TEL 0186842612
宿の詳細

今回のお宿

秘境の宿 マタギの湯

住所
TEL
宿泊予約

くまくま園

住所 〒018-4731 秋田県北秋田市阿仁打当 字陳場1−39
連絡先 0186-84-2626
入場料等 大人(高校生以上):700円
小人(小中学生):200円 ※ツキノワグマのおやつ(小)をサービス
幼児(未就学児):無料
団体(15名様以上):大人料金のみ100円引き
体験費用 ツキノワグマのおやつ(小):200円
ツキノワグマのおやつ(大):1,000円
ブルーベリー (季節限定):500円
備考 9:00~16:00(最終入園15:30)
入園料 開園期間:2021年4月29日(木・祝)~2021年11月3日(水・祝)
※毎年4月下旬~11月上旬まで開園しています。
※冬期間はくまが冬眠するため閉園しています。
※冬眠見学は2月に実施日を設定しますので、参加希望の日にお申込ください。
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sugiura

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