突然だが、私はこれまで「美味しい」と「ヘルシー」が手を取り合ってランデブーしているのを見たことがない。
ラーメン大帝、ハンバーガー閣下、スタバのフラペチーノ陛下、ポテチ大王…
彼らは私の脳みそを「ピャアアアアア!」とさせ、カロリーという名の姫を引き連れてやってくる。
カロリー姫とのドープな快感に溺れながら、気づけばぽっちゃり街道まっしぐら、実に太々しく闊歩してきた自負がある。
だがしかし!今回、私は石垣島の秘境、「ぱぱ屋」で、とんでもない裏切りに遭うことになる。そう、私は出会ってしまったのだ。ぱぱ屋の「ゴールドバレル」という名の、あまりにも罪深い飲み物に…。
石垣島の密林に潜む「ぱぱ屋」の怪しさ
石垣島の「米原ビーチ」を過ぎ、密林への小道へ。細道の先に、その店「ぱぱ屋」はヌッと佇んでいた。
おっちゃんとおばちゃんが営む、ごく普通(やや個性的?)な見た目の店構え。
お値段はだいたい500円。石垣島で太陽の恵みをこれでもかと吸い込んだ、とれたてフレッシュなフルーツジュースを売っている。
メニューはマンゴー、バナナ、ドラゴンフルーツ、グヮバ、パイン、シークヮーサー、そしてまさかのごーやーまで!さらにはAブレンド、Bブレンド、ピーチパイン、そして今回私が運命的な出会いを果たす「ゴールドバレル」など、石垣島産のフルーツが盛りだくさん。それらを丁寧にカットして凍らせ、客の目の前でミキサーにかけてくれる。
3人で訪れたので、Aブレンド、Bブレンド、そしてゴールドバレルを注文。
※ゴールドバレルとは、沖縄産パイナップルの品種の1つです
…と、その時!お母さんがボトルに入った何やら怪しい茶色い液体を取り出し、
いきなりミキサーに「ガボガボガボォオオオ!!!」と豪快にぶち込み始めた!
え?ちょっと待って!そんな茶色い汁を入れまくって大丈夫なんですか?!
まさか、これはあの「ジャングルの主」の血清…?
お母さんの手は止まらない。ひたすら回り続けるミキサー。
恐る恐る「それ、なんすか…?」と聞いてみた所、
ボソリと「さとうきびの絞り汁…」と返ってくるだけだった。
そして、恐怖と期待が入り混じった私の目の前に、ついに手渡される、麗しの生ジュース。
価値観を覆す「脳汁決壊ジュース」との出会い
いよいよ手渡された、ぱぱ屋の生ジュース。
見た目は鮮やかなフルーツの色で、あの怪しい茶色い液体はどこにも感じられない。
まずは一口、と飲んだ瞬間の衝撃!!
石垣島の太陽の恵みが、暴力的なまでに凝縮されている!!
こんなにもフルーツ本来の味を、こんなにもピュアに楽しめるジュースが、
かつて存在しただろうか、いや、無い…!
世のありとあらゆる「ジュース」と名乗る液体とは?
驚くほど濃厚なフルーツ感、でも後味は驚くほどスッキリしていて、喉の渇きが一気に潤される。何故…?これが水も砂糖も使用せず、ゴールドバレルとサトウキビの絞り汁だけを使用しているから??
パイナップル特有のキュンとくる酸味を抑えつつ、さとうきび絞り汁の素朴な甘みがフルーティーさを引き立て、爽やかさが後を引きながら喉の奥へと駆け抜けていく…
そしてこのとんでもなく滑らかな口当たり、一切の繊維質を感じさせない…
まるで高級シルクでできた液体のような、もはやこれは飲み物ではなく、飲む宝石…
と、今になってめちゃくちゃ冷静に美味しさを表現出来るのですが、当日は美味しさのあまり脳のヒューズがぶっ飛んで「ウマすぎてアホんなってまう~(アヘ)」くらいしか言えませんでした。
これまで私が頑なに抱いていた「美味しい=不健康」という哲学は、このゴールドバレルを前にして、まるでガラス細工のように、いとも簡単に粉々に打ち砕かれた。こんなにも美味しくて、しかも飲めば飲むほど体に染みわたるような心地よさを感じる飲み物があるなんて。自然の色、自然の香りなのに美しく、味も最高。
勿論添加物なども一切使用しておらず、本当に石垣島産の果物とさとうきびの絞り汁のみを使用しているという奇跡。こんなの、セオリーに無い!!
あれから、建前ではない美味しいけどヘルシーなものを色々探してはいるものの、ぱぱ屋のゴールドバレルほどのクオリティーにはまだ出会えてはいない。
ふとした時に、「あ~、この蛇口捻ったら、ゴールドバレル出てこねぇかな?」とか考えちゃう筆者は、まだまだぽっちゃり街道を邁進中なのだ。